仕事は数字で始まり、数字で終わる

初めに結論

報告書では、結論から最初に書きます。

これはビジネスの基本中の基本です。

文書だけにとどまらず、会議やプロジェクト

でも同様です。

下記は、予算発表の際の結論から述べる例です。

「来期予算は今年対比で110%」

「新商品の市場占有率目標は10%」

「既存店売上のトータル成長率は105%」

「平均単価を今期対比で103%」

「営業利益率目標は売上対比8%」

数字がビジネスカルチャーを変える

目標が明確にデジタル化されることで、その後の仕事も、各部署の目標が

細分化された数字に落とし込まれます。

例えば、来期部門予算が110%なら、主力商品の成長率は最低でも115%は

必要だ、というように。

主力商品とは、売上構成比上位の累計比が70%前後を占める中核商品のことです。

業績の大勢はここで決します。(60%でも80%でも結構です)

市場占有率なら、地域別でシェア率上位の“稼ぎ頭”営業所のへの資源の投入が先決に

なります。すでに、高い実績シェア率を稼いでいますから、モノは売りやすい地域です。

数字と仕事の細分化サイクル

目標が最初に数字で示されれば、その次の段階、さらにはその次の細分化されたプロセス

でも数値化して、個別の目標を立てなければなりません。

数値目標があれば、具体的な実務に落とし込みやすくなるからです。

反対に、最初の目標がデジタルに示されなければ、最終段階の現場レベルでの業務の

組み立てや、必要時間数も決まりません。

「今年は在庫を2割削減する」という目標に対し、個々の部門別の過剰な予備在庫の

削減から入る企業は少ないです。

全部門の在庫を一律に減らすことは素人仕事です。

在庫削減において、減らす在庫と同時に、従来から足りない在庫もあります。

ここを改善するのも“在庫管理”なのです。

目標達成活動を具体的な数字で確認することは、今日、仕事の基本です。

結果は必ず検証する

目標をデジタル化することの、もう一つ大切なことは数字があれば検証できる

ということです。

なぜ達成できたのか、またはできなかったのか。

例えば、目標と実績の間に大きなマイナスの乖離があれば、プロセスの組み立てに

失敗しています。

数字の細分化に合わせて、業務体制が適切ではなかった。

数字をつくるための事業なのに、数字を作れなかったからです。

数字がない課題も数字を設定

「サービス向上月間」という抽象的な目標でも、数値化は必要です。

「サービス向上」を側面から評価する基準を決めておけばよいのです。

苦情メール・電話件数、返品件数、不良品件数、注文件数、未配・遅配件数、

苦情の多い部門、等々。もっとたくさんあるでしょう。

これらの数値をキャンペーン前後と比較するのです。

サービスレベルの趨勢くらいは分かるのではないでしょうか。

これからのスキル

数字がなければ仕事が決まらないし、目標がなければ、最終的に成功か失敗かも

わかりません。

数字で考え、数字で仕事化し、数字で結果を判断する。

残念ながら、このスキルはあまり一般化していないようです。

得意な人が少ない未開拓のスキル領域といってよいでしょう。