数字の読み方に2つのアプローチ

主観で読むか客観的に眺めるか

数字嫌いの方の共通点は、数字に対峙する時、

主観を持っていません。本来、業績数値は、

主観によって読み解きます。

意外なことでしょう。

むしろ、企業内には主観で数字を読む方は非常に少ないです。

むしろ、主観的に読まないと、実績から実務へのフィードバックが不正確になります。

数字から、業務を多面的に見直すことができるのです。

例え、実績がプラスでもマイナスでも。

不十分な結果は、不十分な努力から

主観的に読むとは、目の前にある実績データのほとんどを“未完成”なものと見る立場です。

仕事のプロセスが未完成だから、それを反映して未完成な結果が出ているだけ。

単純化すると、こういう発想です。

出てきた数字は単なる結果ではなく、途中経過の数字であるという解釈です。

仕事のプロセスがまだ完全ではないから。

順調な数字でも低調な数字の場合でも、業績改善の余地あり。

これが主観で数字を読み解くアプローチです。

その業績に至る、ご自分たちの仕事の取り組みにおける不備を発見します。

徹底的に。

「この結果では不十分だ、なぜならAという仕事のここが・・・」という解釈です。

数字読みの達人になることは、それほど難しいことではありません。

受け身の解釈から脱却すればスキルになる

これに対して、業績数値を単なる結果としてスンナリ受け止めるのが一般の数字

に対する受け止め方ではないでしょうか。

前者は、予算達成の数字を見ても「不満だ」、「もっと伸びる」と考えます。

これに対して後者は、「皆頑よく張った」、「結果だから、しょうがない」、

で終わりです。

実績数値は誰から見ても客観的な正しい事実だ。

こうした思い込みが、多くの方が持っている数字に対する感覚といえます。

予算が未達なら「どの業務のどこに問題があった」をつかみ、その数字に対してより大きな可能性を見つけるのが前者です。

後者の場合、「予算未達はしょうがない。次回頑張ろう」で終了です。

客観的な解釈で一喜一憂するのは、数字に対する受け身な態度です。

主観的な読み方は、実務に対する能動性を持っています。

フィードバックで仮説を実験

“数字読みの達人”は通常、打ち出す対策が現実的で効果的です。

最終的な数字が実績として生じるまでの、業務プロセスにあると思われる問題を

拾い出します。

調達、製品化、販促、営業、アフターサービス、マーケティング、現場運営、等々。

それらの中で要因と思える業務に的を絞り、仮説としての対策を講じます。

結果が出ればその仮説は正しいことになり、効果的な対策の“蓄積”が増えてゆきます。

また結果が出なければ、他に要因を探し、別の対策を試みます。

1回の試み、ですべての成否の判断ができるわけではありません。

当りもあれば外れもあります。

しかしながら、実践して検証すことが大切です。

これを積み重ねれば、1-2年で多くの“引き出し”を手にすることができます。

数字こそ、改良のヒント

一番大切なことは、数字はコントロールできるということです。

業務内容を徹底的にチェックすることで、数字は変わるじゃ可能性があります。

主観で数字を読んで、示された実績数値にある改善余地や方法を探すのです。

主観に基づけば、この数字にはまだ可能性がある。

これが主観に立った数字の読み方の根本的なメンタリティです。