組織は成功体験者の集まり

組織図を構成するメンバー

は、大なり小なりの成功体

験がその行動原理になって

います。

全員とは言いませんが、

半分以上は過去の成功体験を心の拠り所にして、その延長線上で

仕事を行っているのではないでしょうか。

成功体験でスキルアップ

成功体験は必要です。

多くのビジネスパーソンは過去の成功体験によって、各種の

スキルを獲得してきたからです。

成功体験がなければスキルも大したことはない。

こういう言葉にも根拠がないというわけではありません。

評判の確立したブランド企業からの転職者が多いのも、成功

ノウハウに対するニーズが大きいからでしょう。

企業の業績や評判は、優秀な人材の集積を暗示しているからです。

成功体験は尊重すべきものであると述べておきます。

成功体験が停滞を生む場合

しかしながら、成功体験者は、ある時から、横這い社員になる

ことがあります。

いくつかの成功を達成した時点で、それ以上のスキルアップが

停滞するからです。

抜擢され、昇進して、上位の職位についた時も同じです。

スキルの横ばいは、本人が一番成長した時代の後にやってきます。

過大な自己評価という落とし穴です。

昇進によって、過剰評価は他者からも行われます。

ここが成功体験後の見えざる分岐点です。

同じ仕事の方法継続では通用しなくなる

何が、成功体験を弊害に変えるのか。

過去の仕事の仕方を変えないからです。

従来型の発想と手法に固執しがちです。

成功体験の落とし穴に陥らないためには、目的達成のための

仕事の方法論を少しづつでもよいので更新してゆくことです。

過去の方法を修正し、改善することです。

否定することも求められるかもしれません。

成功した時代の手法は、いつまでも成功を保証するわけでは

ありません。

生活環境もビジネス環境も5年で変わります。

当然、仕事のやり方も変わります。

そこで満足する?

成功体験は、一種の両刃の剣です。

必要ではあるが、そこで満足してしまうと自己成長の邪魔に

なります。組織全体を見まわしてください。

老いも若きも、どれほど多くの成功体験者がいるでしょう。

むしろ自分や他者の失敗体験こそが、身に着けるべきノウハウを

学ぶ貴重な機会ではないでしょうか。