自分の能力の内側で仕事をすると

仕事で能力を磨かない人

入社時に“新人有能株”だった若者が、3年後には並の社員に

なっていた。

そして、5年後には同期の後方集団にいた。

時々、こういう現実は見られます。

非常にもったいないことです。

かつての若手のヒーローが、その他大勢に入ってしまった。

決して採用時のミスではありません。

多くの場合、上司の仕事がゆるかったからです

現場における上司の職業意識が極めて低かったのです。

経験の蓄積がいつか価値ある“貯金”になる。

こういった職業観に触れないまま仕事をしてゆくと、せっかくの

有望人材を見失います。

能力の範囲内で仕事をする横這い人材

貯金がある人ほど貯金が好きになるようです。

しかしながら、人はビジネススキルを“貯金”するほど、“貯金”を

継続できない傾向があります。

スキルがある程度高まると、スキルをさらにレベルアップしたり、

その応用範囲を拡大したり、新しい方法論に挑戦する、という人は

少数派になります。

つまり、今までの“貯金”で仕事がそれなりに流れてゆくので、

スキル開発に消極的になるケースが多いのです。

“貯金=ノウハウ”の頭打ち状態です。

昇進がきっかけになることが多いようです。

地位と権限が拡大されて、保守的になってゆくのかもしれません。

転職の成功で冒険をしたくなくなる気持ちも分かります。

しかし、ビジネスは無限の改善点を秘めています。

成功体験が自分を縛っていないか

転職希望者も同様の問題意識が必要ではないでしょうか。

かつて身に着けたスキルを武器に転職をする。

そして、その能力を認められ昇進したとします。

会社が注目するのは、この後の“貯金”ぶりです。

部下以上にその方の上司は、昇進が成功だったのかどうかを

見守っているのです。

従来のスキルそのままで、1つ2つ上の職位で通用するのか

どうかを考えてみてください。

現在の自分の能力の内側で仕事を流すのはリスクなしに見えます。

しかし、そのことこそ、自分にも会社にも隠れたリスクになり

ます。

“横這い”人材になっていないか気を付けましょう。