面接官の注目点:スキルの蓄積には3年

1万時間の壁

マルコム・グラッドウェル氏の書いた

『天才(成功する人々の法則)』という

本があります。

かつてのベストセラーです。

この本の中に“1万時間の壁”という言葉

が出てきます。

音楽、アート、スポーツなど、どんな

分野でも卓越した成果を残す人は、修行時代に同じようなことを

1万時間は続けてきた。

これがその主旨です。

例として、モーツアルトからビルゲイツまで多様な実例を挙げて

います。

天才といわれる人々に共通なのは、延々と続けられてきた練習の

果てに独特の才能が開花したということです。

量を克服した後に質が生まれる

仕事をこなす“量”より、仕事の“質”のほうが大切だといわれます。

しかし他方で、仕事の“質”を上げるためには、“量”をこなすこと

が先決だとも、昔からいわれます。

同じ仕事を続けていても、一定以上の量の仕事を経験しないと、

技能も上達しない。

つまり、“大量処理”を通過しなければ仕事のクオリティは上がら

ないということです。

こちらのほうが正論でしょう。

仕事の質を論じる前に、大量の経験を積めということでもあり

ます。

経験という入力が多いほど、出力の内容が良くなってゆく。

これは多くの分野で語られる経験則として、どんな分野でも共通

しています。

スキルを習得するには何年必要?

このことは、どのようなビジネス分野でも当てはまります。

ビジネスの場合、1つのことを習得するには3年が一つの目安

ではないでしょうか。

「石の上にも3年」は今でも通用するようです。

仕事のできる人は「9時から5時」だけの仕事では、スキルアップ

にはほど遠いといいます。

できる人は、他人の見えないところで仕事を続けています。

長時間労働が美徳だといって言っているわけではありません。

もちろん、ブラック企業の労働など論外です。

どこかの段階で、大量の業務処理の達成を体験することです。

この経験を経て、初めてクオリティに欠かせないスキルが上がって

ゆく。これは成長に不可欠なステップです。

ジョブホッパーのパターン

以上の点から考えると、転職頻度と個々の職歴のパターンは、

転職希望者の経験値(スキルレベル)を測る手掛かりにもなり

そうです。

例えば、転職者の経歴で、“職歴2年前後が3回以上”というのは、

技能の蓄積という点で疑問視されるかもしれません。

これはジョブポッパーの共通点でもあります。

いうまでもなく例外はあります。

1つの職歴が3年以上あることは、それ相応のスキルを備えて

いるという目安になるでしょう。