見逃された販売力の指標
企業の実績で最もポピュラ
ーな指標は、売上高と利益
率です。
しかし、現実のビジネスに
接していると、もう一つ“数
量”という実績が重要なカギを握っていることが分かります。
例えば、自動車産業での世界ランキングは主に、生産(又は、販
売)台数に基づいて決められます。
金額で順位が決められる業界もありますが、それでも数量に置き
替えてみると、それが社員にとってもっと身近な数字になってき
ます。
例え、自動車のような高額品でなく、低価格の消耗品でも数量で
把握することは、新しい着眼点を与えます。
マーケットと自社の位置づけ
“数量”は現場の効率を見るときだけでなく、市場や市場変化を見る
ときも貴重なデータになります。
シェア率は生産、または、販売数量で表現すると具体的に把握で
きます。
例えばある製品に関して、日本全体の市場規模は「5000億円」
ですというより、「50万台」ですといった方が具体的になるで
しょう。
さらには、この市場規模においてわが社のシェア率は15%と
いえば、7万5千台に相当します。
自社のポジションがより明快に把握できます。
このことは、製造業も小売業もサービス業も同様です。
成果の単位を数量に置き替える
来期の目標は今期の110%ですといえば、10%アップです。
しかし、このままの数字ではピンときません。
そこで、この10%を10万点の増加と置き換えれば、1週間当たり
何個増産するか、または、販売増加するかが見えてきます。
10万点アップするには52週で割ると、1週間で平均1,923点追加と
なります。さらにこれを7で割れば、275という1日平均の追加数量
が出ます。
目標売上金額を目標数量に置き換えると、この予算が現実的か
どうかは、現場の体制と比較すれば、推測は難しくないはずです。
現状のオペレーションから見て不可能なら、その数字は非現実的
ということになります。
販売、または製造数量という現実的な指標から判断できるから
です。
売上を数量で読みかえる
売上や利益という数字は、“数量”に転換すると、仕事の意味が
はっきりします。
また、“数量”を基準にすると、“目標”や“実績”、およびその
“落差”もより具体的に実感できます。
数量は、仕事を“見える化”すると同時に、目標達成のための新しい
方法を発見するきっかけにもなります。
数字を読むコツの1つは“数量”や“台数”に置き換えて、その数字を
読むことです。