毎月の販売チャンスはここにある

需要は毎月変動している

図-1は、月別の売上変化を季

節指数で表したグラフです。

棒グラフの上部にある数字は

季節指数です。季節指数とは、1年間の売上の平均値に対する

その月の売上比率です。

例えば、1月の売上は年間の月平均売上に対して95%であること

を示しています。

これは、その年によっても多少変わりますが、市場環境の変化が

なければその変動パターンは、毎年似たようなものになります。

季節指数の大きい月にチャンスがある

さて問題は、季節指数のどこに目

をつけるかということです。

最優先で着目すべきは、季節指数が高い月です。

図-1でいえば、12月、11月、7月、5月です。

なぜでしょう?

例えば図-1では、指数が110(7月)とか115(12月)という高い数字

が出ています。

基本的な読みは、これらの月は平月に比べ、元々、需要そのものが

大きかったのではないか。

つまり、季節指数の高い月ほど潜在市場規模が大きいという解釈

です。

その月の市場規模が大きいから、必然的に季節指数が高くなる。

率直に言うと、企業努力以上の大きな需要があったから、結果的

に企業努力を超えた実績が掴めた。

ここに、季節指数が上昇した背景があるというのが、数字の読み方

です。

実力以上の大きなマーケットが存在している。

だから、ここを前提として数字を見直す。

これは、季節指数の基本的な読み方です。

実力を超えた売上が発生

売上の大きな月は、一見、自社の努力や実力の大きさの証拠だと

勘違いされがちです。

しかし、そのような事例はあまり多くはありません。

なぜなら、責任者が変われば季節指数の大きさが変動するから

です。

月別のツボを抑えた責任者と、それに無関心な責任者の能力の

違いです。

良好な販売実績は、まだ知らないところに市場チャンスがある。

だから、売れている月ほど売上の漏れに注目し、仕事を見直す。

この繰り返しで、着実に販売力がついてゆきます。

現状の販売力でも結果的に季節指数が高ければ、より深堀りすれ

ばもっと伸びるかもしれない。

これも、数字は“主観”を持って読むべきだということの実例です。

販売余地は常に残されているという前向きな“主観”です。

もっともっと売れたはずだから、来年は新しい仕掛けをして

みよう。

これが、指数の高い月の最大のポイントです。

変動する比率は比較する

ここでチェックすべきは、指数の変動パターンが、どの事業所

(営業所)でも似たような状況かという点です。

地域性は別として、どう考えても高い指数が期待できる月なのに、

結果が不振なのはなぜなのか。

季節指数の示す意味を突っ込んで理解していないのかもしれま

せん。

ここにも、マーケットチャンスが隠れています。

季節指数は、今やビジネスの共通認識です。

自社の基準値は?

反対に、指数の低い月に対策を打っても、たぶん大きな収穫は

ないでしょう。

指数が平均値以下なら、元々需要が小さい時期である可能性が

あります。

指数の高い月ほど売上全体に占める比率も大きくなります。

反対に100未満の指数の月は、その売上構成比は小さくなります。

最初は、販売チャンスが大きいところから攻める。

これが数字を読み、結果に結びつけるコツです。

少なくとも、指数が110以上ならまだ可能性があると見るべき

です。

業界によっては、105以上の月はマークすべきでしょう。