業務翻訳力とは何か

翻訳しなければただのスローガン

能力のある組織には、管理職の業務翻訳力が

徹底しています。

業務翻訳力とは、トップから指示された目標や政策を、部下に対してより

具体的な数字や実務に置き換えて伝える能力です。

例えば、トップから「来期売上目標は今期の110%」という指示が出た時、

この言葉をそのまま部下に投げていては、組織は動けません。

組織の上から下までこの言葉を、そのまま復唱して順送りしていては、

現場では“何”を“どうすれば”よいのかわからないからです。

翻訳できないと組織は動けない

管理職の仕事は、部下に対して上からの大きな達成目標をかみ砕いて、

個別業務ごとの身近な目標数字や強化実務を示すことです。

何から着手すべきかを翻訳することです。

これが苦手な上司は、社内のボトルネックになっているかもしれせん。

現場をよく理解していないのではないでしょうか。

部下の時代から、指示待ち社員だったのかもしれません。

年功序列型組織の部長さんには、このタイプが残っています。

部長の役割は大きい

最終的に、強化すべき部門や業務と、その目標値を明確に提示する。

そのために人員配置も変更する。

中間地点で、チームが進捗を確認して、さらに工夫する、等々。

職位段階で、上からの支持を部下に分かりやすく翻訳する。

これが、業務翻訳力ということです。

「時価総額日本一!」などというのはトップの指示です。

一種のスローガンです。

では、これをどうやって実現するのか。

ここで、各段階の上司の力量が求められます。

今から練習を始める

業務翻訳力は、部下の時に習得すべきスキルです。

上司にも、翻訳力に格差があるからです。

良い手本を見つけることです。

チームのメンバーは自分達の守備範囲内の問題には、自主的な対策を求め

られる時代になっているからです。

チームの行動力のためには翻訳され、転換された言葉が必要です。

上からの指示を、部下や現場に丸投げしていては良い結果にはなりませ

ん。また、指示待ちの仕事は、結果に対する検証もできません。

「一を聞いて十に分解」

業務翻訳力は脚光を浴びないスキルですが、成果を上げるためには必須の

スキルです。

「一を聞いて十を知る」という言葉があります。

これに対して「一を聞いて十の仕事に分解する」のが翻訳力です。

あらゆるビジネスは、1つのことを分解し、さらに細分化することで新しい

仕事のプロセスが生まれます。

業務翻訳能力とは、目標達成のための“手段屋”になることです。

様々な方法論の引き出しを作っておくことが修行です。

そして、業務翻訳力は意思決定力の1つであるいうことです。

「一を聞いて十の仕事に分解」すれば、指示や仕事の曖昧さが消えてゆく

でしょう。