異常値の発見は、見逃しニーズの発見だ

一過性の数字の変化の原因は

バナナダイエットがテレビで流

された途端、どのスーパーもバ

ナナ売上が昨年の10倍(月

間)になった。あるいは、季節

外れの台風で乾電池が前年の

20倍売れた。

原因が何であれ、こういった大きな数字の変化は異常値と呼ばれます。

異常値とは、予想を超えて突然大きく変動する実績値のことです。

従って、急増だけでなく、急減という場合もあります。

異常値は、レアケースと思われているので、見過ごされています。

異常値の有無を確認している企業でも、その基準値は担当者任せで、明確

にされていない場合が多いです。

異常値に余り関心を持たない会社もあります。

見えない市場チャンスとして見る

異常値の把握と、その変動要因の発見は重点業務です。

異常値は、まだ発見していない市場チャンスの可能性があります。

今までのすべての異常値を集めて、その背後にある需要変化を見つめて

みましょう。

なかには、予想できなかった突発的なブームや、自然災害が異常値になっ

た場合もあるでしょう。

しかしながらデータでは、異常値はそれ以外にもたくさん出現していま

す。丹念に毎月数字を追いかけないから、気づかないのです。

異常値には、有意義なものがたくさん隠されています。

常に、異常値を発見する視点

従来型ビジネスでは前年対比でプラスマイナス10%を超えたら要チェック

です。

平準的な成績の部門業績が、突如、2桁変動する。

この要因分析によって、見過ごしていた需要を浮き彫りにできるかも

しれません。

会社に一般化された基準値がなければ、自分で個人的に要注意レベルを

設定しておくと、数表を見るとき思わぬ発見があるでしょう。

比較する正常値がないと気づかない

異常値とは、比較して初めてわかる数字です。

従って、何かの実績で異常値を提示するとき、必ず対前年、対前月、対平

均値、対他企業、対最大値、など比較データを添えておくことです。

読む側はスムーズに理解できます。

比較・参照することはビジネス数値を読むことにおいて、基本的なこと

です。

いきなりデータを渡され時でも、その中の数字同士を比較することで突破

口が見えてくるでしょう。

まずは、比較練習をすることです。

“異常値”発見も数字を読むスキル

予算達成状況が順調な時など、異常値のチェックが漏れることがありま

す。全体業績がOKだから、格別問題がないだろうという気持ちは分かり

ます。

しかし、予算達成度とは別に異常値のチェックは定例で行うべきです。

意外と行われていないようです。

順序としては、主力部門からチェックして準主力、補助へと全項目で異常

値を探してゆきます。

ここでは、補助部門での異常値も見つけておくことです。

昇進するほど重要

最初は、定期的にチェックする項目を決めておくのもよいでしょう。

売上と粗利益と客数なのか。

それとも、販管費の人件費、広告宣伝費、光熱費なのか。

構成比の高い項目、つまり大勢に影響を与える重要な項目を自分で決めて

おくと習慣的にチェックしやすくなるでしょう。

異常値を見つける習慣は上司になるほど大切です。