究極の競争段階
過当競争とは、マーケットがゼロサム状態
になっていることです。
ゼロサムとは、売上が伸びた企業と落ち込
んだ企業のプラスマイナスがゼロになることです。(足し算してゼロになる=ゼロサム)
マーケットサイズが拡大も縮小もしていない状態です。
例えば、1つの市場を巡って5社がしのぎを削っているとします。
この状態で、成長企業側の売上プラスと、下落企業側の売上マイナスを
合計するとほぼゼロになる。
これが、ゼロサムマーケットと言うことです。
飽和市場という言い方もされます。
未開拓市場がない。
これが過当競争のマーケットの状態です。
シェア率=競争力
1つのマーケットを奪い合う企業の、それぞれのシェア率がその業界での
競争力順位を決めます。
シェア率1位は、通常、競争力も第1位です。
トップ企業は他企業に影響を与える支配的な強さも持っています。
反対に、シェア率最下位は非常に不利な立場に置かれています。
市場の変動によって、業績が大きく左右されるからです。
新規参入企業の売上はどこから
ライバルの登場。
1つの市場で5社が競争関係にある時、そこに、新たな第6の企業が登場する
とどうなるでしょう。
一般的に、その打撃はシェア率が低いほど大きくなります。
新規参入企業が強力であるほど、競争力が低い(=低シェア率)企業は
売上低下を招きます。
そして、シェア率順位が上位に行くにつれその打撃は小さくなります。
最も影響を受けにくいのがトップ企業です。
当然、既存の各社がライバルに対する対策を講じますが、その結果、トッ
プ企業だけがわずかに成長するケースもあります。
シェア率と競争力の関係を究極の状況で示すのが、ライバルの出現時
です。
新規参入者の獲得売上は、第5位企業から最も多く流出し、その次は第4
位、第3位という順です。
誰が、ライバルに売上を提供しているのかという構図です。
高シェア率のメリット
高シェア率企業は売上の回復も早いです。
これが、日頃からシェア率を追求してきた企業のメリットです。
シェア率は、競争時代における基礎体力のようなものです。
マーケットにおける見えない参入障壁ともいえます。
コスト管理だけでは優位に立てない
ゼロサム状態の市場では、コスト削減は大した対抗戦略にはなり得ま
せん。
商品力、販売力、開発力など、売上を積み上げる力がモノを言います。
もちろん、コストカットで価格競争力を向上させるという発想もあるで
しょう。
しかし、コストコントロールだけでやってきた企業は、普段のシェア率が
そもそも低い場合が多いのです。
コスト管理型経営の弱点は競争力です。
特にゼロサム状態では。