主力部門次第で、売上は決まる
業績のチェックは主力部門(主
力商品、主力事業所)から。
これが、数字を読むときの基本
です。
売上実績の70~80%を占め
る稼ぎ手の主力、すなわちAランク商品に問題がなければ、他の商品はノー
チェックでも問題はないでしょう。
もしも時間があるなら次のBランク(準主力)の実績を確認して、A,Bラン
クともに順調なら、全体業績も順調に進むと思います。
予算達成も見えてきます。
主力と準主力を合わせると売上構成比の95%以上なので、大勢はここで
決まるからです。
マイナー商品の異常値に注意
ところがまれに、補助に相当するCランク商品(売上構成比5%未満)に
大きな業績変動が見られることがあります。
これが異常値です。
ここにはぜひ注目してください。
全体業績にほとんど影響がないオマケのような位置づけにあるマイナーな
商品、サービス、事業部門はそのデータは余りチェックされません。
マイナーな商品に多少の業績変動が起こっても、大勢には大きな影響は
ないからです。
しかし、その変動幅が大きい場合は問題です。
プラスにしてもマイナスにしても異常値が見られれば注目です。
例えば、前年同月と比較すると150%とか200%という数字は明らかに
プラスの異常値です。
市場機会を逃したかも
計画的な仕掛けによって生じたのか、それとも、たまたま異常値になった
のか。
後者の場合がほとんどでしょう。
この点を明らかにすることで、もしかしたら、見逃した小さな需要変動を
発見することができるかもしれません。
異常値の出現はなぜなのか。
市場変化を見逃したのか、企業の対応不足か、それともその両方のため
か。
マーケットチャンスがあったなら、組織的な問題です。
Cランクの異常値にも目を配る
異常値の原因は多種多様です。
偶然や社会的なブーム、それに災害時にも、多くの事業で異常値が発生
します。
しかし、ここで強調したいのは、何も対策を打たなかったのに150%や
200%という結果が自然に出た時です。
実際には、その市場規模がもっと大きかったかも知れないということ
です。数字以上の市場の存在の可能性です。
つまり異常な実績変化に対して、常に目を皿のようにして、貪欲である
ことが他者との違いを生むのです。
小さいことを積み上げる
大きい売上における実績変動は誰でもわかります。
しかし、小さな市場の発見や拡大は積み重なると一定の規模になります。
異常値に対するこだわりは、数字に慣れるためのちょっとしたコツです。
ビジネスの場では商魂たくましさが求められます。
マイナスに対する異常値も、現場や仕事のプロセスを再点検する機会に
なります。
今はまだ姿が見えない、ニッチな市場のニッチな可能性。
他社に気づかれる前に、その要因分析をすべきです。
これも数字を読むことの大切なポイントです。