途中で仕事をどんどんつくる上司は有能か

仕事には締め切りがある

例えば、こんな経験はなかったでしょうか。

プロジェクト開始から、1か月の間に仕事量が2倍になっていた。

なぜでしょう。

仕事の途中で、上司がその場その場で新しい仕事を指示したからです。

そのため業務量が雪ダルマ式に増えてゆく。

結果として、仕事は遅々として進まず、期限内の完了も不透明になりま

した。

こうなると、明らかに上司(監督者)に問題があります。

業務の遅延は起こることですが、進行中に突然の仕事が生まれたことが

原因なら、それは上司の責任といえます。

他部署と連携している場合はもっと影響が大きいです。

明らかな業務量の急激な増加は、本来、上司がチェックすべき重要項目で

す。期間厳守が仕事における鉄則だからです。

ともかく詳細な計画を

第1に見直すべきは、全体計画です。

スタートから終了までの仕事の流れ図(フローチャート)の詳細化が不十

分ではなかったのか。

横軸に期間、縦軸に業務項目が並べられたありふれた計画図です。

ここに記載された個別の業務リストに漏れがなかったのか(縦軸)。

また、予定作業期間の設定が大雑把ということはなかったのか(横軸)。

全体計画の段階は、発生し得る2次作業も含めて、詳細な業務項目化が必要

です。

途中で指示された追加業務は、当初、本当に想定外だったのか。

人数と必要時間

第2の確認事項は、業務別の投入人時数の計画です。

業務項目に合わせて、必要な人員と時間数を現実的に計画します。

この段階で明らかに無理があれば、スケジュール通りにはまとめられない

ことは言うまでもありません。

役割分担だけでは不十分です。

進行段階で、人時の非現実的な割り当てを修正します。

想定外の仕事は、人時計画からも発生することがあります。

上司がボトルネックだって?

第3は、ボトルネックの把握です。

ボトルネックとは、一連の仕事の流れの中で処理スピードが一番遅い部分

です。

上司から見れば、各メンバーの処理能力の違いは分かっているはずです。

業務の遅れは、どこかにボトルネックがあるはずです。

上司がボトルネックだった場合もあります。

事前に、仕事のボトルネック対策が必要だったのではないでしょうか。

応援要員の投入や上司が直接指導してもよいでしょう。

仕事の遅れは、仕事の質にもかかわります

仕事全体の7-8割を占める中核業務が明示されていたでしょうか。

中核業務の仕上がりレベルで、プロジェクト全体のクオリティが決まります。

このコア部分を処理する人員構成や方法論が決定されていたでしょうか。

もしそうだったなら、プロジェクトにはそれほど多くの追加仕事は発生し

ません。

“主力商品”ならぬ“主力業務”です。

仕事の中で最も大きな比率を占める主力業務から始める。

これは部下を持つ者の、常識です。

部下にとっては勉強になる

部下は常に、上司が行っている事をしっかり見ています。

プロジェクトの指揮・進行、あるいは、その乱れは部下にとって、将来の

ための格好のケーススタディとなります。