転職先企業の有望性を見分ける

会社の有望性の基準は自分でつくる

転職する前に、その会社の将来

性や有望性を自分の尺度で判断

する。これも一つのスキルで

す。

そのためには、自分なりの目安を早くから持つことです。

会社の将来性を計る、自己流の尺度といってもよいでしょう。

この基準は、世の中に既にあるわけではありません。

ビジネス書にも書かれていません。

自分で考えて、自分の尺度として使えばよいのです。

尺度の正しさや当たり外れは大した問題ではありません。

果たしてこの会社は、自分の夢や希望を託せる会社なのか。

これを知りたいのです。

有望性をチェックする観点こそ、面接に臨む前の基本姿勢です。

この会社はどこへ行きたいのか

将来性を予測する観点を持てることは転職者のメリットでもあります。

会社内の雰囲気を感じて、何となく分かる人もいるでしょう。

実務経験があれば、社風をある程度キャッチできるかもしれません。

実務レベルを経験すれば、会社の実力も想定できるでしょう。

おそらく新卒社員の場合、こうした知識は希薄でしょう。

勤務経験がゼロだからです。

この観点は、入社以降も役に立ちます。

でも多少の調査が必要です。

少なくとも下記の3つの目安を語ることを考えましょう。

1.その企業の現在地

2.これからどこへ向かうのか

3.その根拠になる記事や数字はどれか

業界内の位置づけ

企業の現在地とは、事業基盤である市場内での位置づけです。

どのマーケットで事業をして、その中で何番手なのか。

売上高とシェア率はその筆頭項目です。

さらにマーケットを細分化した時の各セグメント(細分化)市場において

は、どの分野が強いのか。

ここでも売上高やシェア率で概要は分かります。

また、マーケット、および、有力セグメント市場の成長率と企業成長率も

比較します。

マーケットの成長率と企業成長率の間にギャップがあれば、そのギャップ

の原因を自分なりに推定してゆきます。

少し難しいかもしれませんが、分かる範囲で試みては。

こういう観点で応募先企業を見るビジネスパーソンは少ないでしょう。

参考データを集めておく

この企業は、これからどこへ向かうのか。

長期経営計画が公表されていれば、そこに記されているでしょう。

5年後の目標年商、事業所数、利益率、総従業員数、想定シェア率、

等々。

上場企業であれば、前期までの業績は公開されています。

断片でいいので、参考になりそうな記事や数字はメモしておくことです。

“これからどこへ”に対する答えの材料のすべては、公表資料で手に入らない

かもしれません。

しかし参考データを集め、これからどんな業績推移をたどるのか推測して

みるということです。

数字や言葉で、明るい“将来展望”が見えるといいですね。

企業業績は最低限把握する

その企業の業績トレンドは、過去と現在を表す数字でおよそ分かります。

安定成長、横ばい、乱高下、じり貧傾向、等々。

マクロに見て、どんなパターンで推移していて、今後はどうなるのか。

例えば、直近3年間の数値でもよいですが、成長傾向や下降傾向が業界

トレンドと大きな差がなかったのだろうかということです。

あるいは、以前解説した“異常値”と呼べる数字はないか。

企業は、成長-下降の市場傾向には的確に対応したのか。

全社平均や業界平均などと比較することです。

経営者の目で見る練習

数字が語ることを、自分なりの考えてみる良い機会ではないでしょうか。

動きが不自然な数字の意味は何だろう。

積み残した仕事はなかったのか。

事業拡大するチャンスがあったのか。

実務に入ると、こうした数字を語る場面が出現します。