高い競争力ほどシェア率に貢献する
競争力の高さは、その企業のシェア(市場占有)率に連動しています。
一般的に、シェア率トップは競争力ナンバーワンであり、最後尾にいる企業は最も競争力が乏しい。
ニッチな業界や新興ビジネスは別として、市場が確立された事業分野ではこのことは多くの場合に当てはまります。
もちろん、業界最大手が衰退することもありますが、その場合は自滅や
無策という要因のほうが大きいようです。
シェア率は競争力のバロメーターといえます。
これが、シェア率が重視される経営の第1要因です。
シェア率の高さを活用する
もう一つ、シェア率が追求されるのは、市場シェア率が高いほど、その会社の経営の自由度が高まることです。
シェア率1位の企業は、例えば、マーケティングやコスト管理の手法について選択肢が広く、その結果も通常は大きいです。
のびのびやっても結果がついてくるということです。
シェア率が1%アップした時、第1位企業と第5位企業とではベースとなる売上規模が違うので、実際に獲得した売上金額には大きな差が出るということです。
元々競争力に差があるからです。
従って、市場開拓やシェア率拡大の結果としての成果に大きなが違いが出ます。
また、シェア率が高いほど、成功すればさらなるシェア率アップが期待できます。
これに対して低シェア率企業では、新商品開発や大きな投資が必要なチャレンジには慎重にならざるを得ません。
リスクが大きいからです。
企業スケールによって、チャレンジの規模も変わってくるということです。もちろん、例外はありますが。
シェア率はすべてを癒す
過当競争に入った段階では、シェア率順位によってその影響を受ける度合いが変わってきます。
例えば、1つの市場(業界)で現在5社が競っているとしましょう。
ここに、新たに6社目が参入すると、通常シェア率が低い企業ほど打撃が大きくなります。
単純化すれば、シェア率上位に行くほど受ける影響が小さくなります。
これは、1つのパターンです。
参入企業が増えても、シェア率ナンバーワン企業は、業績が前年より伸びることもあります。
シェア率は、過当競争時代に向けた保険の役割を持っています。
大企業、必ずしも高シェア企業とはならず
まれに、大企業なのに市場シェア率が低い場合があります。
企業規模が最大なのにシェア率1位になれない会社です。
こうした会社は、競争力や生産性が低いのです。
たくさんの問題抱えている可能性があります。
業界ナンバー1の企業スケールを持ちながら、シェア率はナンバー1ではない。
これは、豊富な経営資源(ヒト、モノ、カネ)を抱えていても、それを投入し、それに見合った業績を上げていないケースです。
規模が第1位でなくても第2位企業の場合でも同様です。
資本総額で上位にありながら、市場では存在感が小さい。
かなり危険な状態にあるのではないでしょうか。
規模の順位と業界内のシェア率順位は連動するものです。
業界におけるシェア率トップ企業は、その基礎に岩盤のような競争力を持っています。
営業力も管理力も高い“総合力”のある企業がほとんどです。
それ故に、シェア率ナンバーワン企業になれるのです。