“比較” することで“数字”に強くなる

数字を単独で見ても、その意味は分からない

数字がギッシリ詰った数表を「読む」ときの基本は、目についた特定の数字を別の数字と比較することです。

ある月の売上に注目したなら、例えば、前年同月の売上と比べ

ます。

すると、売上の年間成長率ということに注目したことになり

ます。

伸びていればOKですが、前年割れならその原因を考えます。

さらに、売上減少に応じた対策を講じなくてはなりません。

というように、数字を比較したら「なぜだろう」とか、「何をす

るべきか」などの疑問がわくはずです。疑問は好奇心へと変わり

ます。

あるいは、売上を前月と比べたほうが適切な場合は、対前月比で

数字を比較します。これは直近の売上の成長率ということになり

ます。

また、業界首位の企業と売上を比較することも意味があります。

ナンバーワン企業との売上格差は、業界市場におけるシェア率

格差を意味するからです。

数字の比較は疑問と回答につながる

給与、残業時間、休日日数など、仕事で使うあらゆる数字は、単

独で見ていてもあまり意味はありません。例えば、自分の給与が

昨年と比べてどうなのか、あるいは、上司と比べてどれくらい違

やはりここからも、「なぜだろう」や「何をすべきか」という疑

問が浮かぶのではないでしょうか。

数字が集まったエクセルの一覧表を見るときも同じです。

最初はなんでもいいですから、自分の気が付いた項目とその数字

への注目から始めましょう。

注目したら、次は、ほかの数字と比べます。

すると「なぜだろう」や「何をすべきか」という疑問が浮かぶで

しょう。

1つの数字をじっと見つめるのではなく、他の数字と比較するこ

とです。

これを繰り返し続けることで、数字やデータが身近なものになる

でしょう。

数字は見通しも語る

また、全社の平均値と比べることで、自分やチームの成績の相対

的な位置づけがおよそ分かります。

平均より上か、それとも平均値以下なのか。

さらに、今のポジション(平均以下、以上)はどう変化している

のか。

業績が平均以下から、平均以上へと変化していれば、とりあえず

仕事は進歩しているといえます。

特定の数字を別の数字と比較して、自分たちは現在どこにいるの

か、どちらに向かっているのかを知ることができます。

これも数字の比較によってできることです。

比べることで、現在地を知ることができるということです。

仕事スキルの基本

数字は必ず、何か別の数字と比較する。

単純です。

それだけに習慣化することです。

比較した結果を見て、どう受け止めるのか。

納得するか、不満なのか?

ここからすべての仕事が始まります。

数字をほかの数字と比較できるかどうか。

ここからスキルの程度も見抜かれます。

数字嫌いのビジネスマンは、“比較”からスタートすべきです。