毎月、異常値の有無を調べる
業績数字を見慣れてくると、おかしな数字にも気が付きます。
例えば下記の表を見て、何か感じる点はないでしょうか。
商品部門 | 売上 | 構成比 | 前年比 |
生鮮食品 | 408,000,000 | 34% | 100% |
一般食品 | 180,000,000 | 15% | 110% |
日配品 | 156,000,000 | 13% | 92% |
菓子 | 144,000,000 | 12% | 110% |
冷凍食品 | 120,000,000 | 10% | 125% |
調味料 | 72,000,000 | 6% | 93% |
飲料 | 60,000,000 | 5% | 120% |
消耗雑貨 | 36,000,000 | 3% | 115% |
ペット用品 | 12,000,000 | 1% | 95% |
家庭用品 | 12,000,000 | 1% | 92% |
合計 | 1,200,000,000 | 100% | 105% |
表の横軸の「前年比」にデコボコがあります。
ここに着目してください。
このような見方は、食品スーパーだけでなくドラッグストアやホームセンター
の場合でも同じです。
前年比アップした部門と前年割れを起こした部門が混在している。
ここから細部に入ります。
一般的に、こうした数字を示す店舗は、普段から数字に対する意識は余り
高くないといえるでしょう。
主力重視とか、主力から伸ばすといった意識があれば、この表に見られる
ほどの、激しい成績のデコボコは余り発生しません。
それはさておき、この表をよく見るとデコボコの程度にもばらつきが
あります。
伸びている部門でも落ちている部門でも、大きな前年比が見て取れます。
例えば、一般食品(110%)、菓子(110%)、冷凍食品(125%)、飲料(120%)
消耗雑貨(115%)というプラスがある一方、日配品(92%)、調味料
(93%)、家庭用品(92%)というように2桁近い大幅なダウン部門もあり
ます。
これらをここでは異常値と呼びます。
異常値の基準は自分で設定する
異常値と呼ぶのは何パーセントからか、という一律の基準はありません。
企業ごと、店舗ごと、担当者ごとに目安となる数字を便宜的に決めておけ
ばよいでしょう。
大切なのは、「異常値」という尺度を持つことです。
少なくとも、前年比でプラスマイナス10%の変動がある場合は、何が
原因かを調べる必要があります。
前年比が、プラスマイナス10%以上は異常事態です。
通常通りの営業を行っていて、プラスマイナス10%超のアップダウンがある。
これは見逃せません。
プラスの場合、2桁成長商品です。これは、通常、意識しておけばもっと
伸ばせたかもしれない商品です。
反対に、マイナス2桁(又はそれに近い)部門は、やはり原因の追求が必要です。
仕入れ価格のアップ、競合激化、需要変動、人員不足、販促不足、等々。
全ての要因をチェックして、次回は、漏れた対策を実施します。
成績のアップダウンだけで一喜一憂するだけでなく、アップダウンの要因を
発見して、さらなる売上アップのチャンスを狙うということです。
この時、異常値というのは非常に重要な数値なのです。
漫然と実績表を眺めていたのでは、毎月の業務で、販売技術を磨くことにつな
がりません。
異常値を発見する習慣作りで、販売力をアップさせることができます。