季節指数が高い月にある潜在売上

売上には季節変動がある

<練習問題> 下記の表のような売上実績があるとき、さらに業績アップの
ための着眼点はどこにあるのか提案してください。

表-1
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
売上 90万 70万 90万 95万 100万 110万 120万 100万 90万 100万 110万 130万

年間売上の傾向を読むとき、季節指数は大切なポイントです。

正確には、月別の季節変動指数といいます。

季節指数(季節変動指数)とは、月別の売上変動の度合いを示す指標です。

月度実績÷平均売上

これが季節指数を計算する式です。

例えば、表-1の1月の場合、売上が90万円であるのに対し、年間の平均売上は

約100万円ですから、90万÷100万=90%となります。

つまり1月は年間の平均売上の90%しか売っていないということです。

これを、1月の季節指数は90%であるといいます。

これに比べ12月は130万円の売上があります。

そこで、12月の季節指数は130万÷100万=130%となり、1月の季節指数

よりはるかに大きくなります。

季節指数とは、その時期の市場や需要の大きさを反映しています。

つまり、季節指数が大きい時は市場が大きく、小さいときは市場が小さい

ことを物語っているのです。

従って、練習問題の答のヒントは季節指数の大きな月に注目するということ

になります。

意図をもって売っているか?

大きな売上を見込める月をメインターゲットにする。

これが、営業・販売の基本です。

なぜでしょう?

それは、普通の会社では需要が大きい月に対して格別な準備や対策をしては

いないからです。

その月が、毎年売上が伸びる月だと知ってはいても、その点に深く入り込ん

で、季節指数にこだわってはいないのが一般的な企業です。

自社の通常の体制でも季節指数が130%になるということは、もっと、深く

研究すれば140%とか150%になったかもしれない。

これが、見逃している重要な点です。

つまり、決してハイレベルとは言えない現在の実力でも130%という結果が

出せたということは、もっと優れた対策があればもっと売上も伸びたかも

しれない、という意味です。

なぜなら、販売チャンスや需要はもっと大きかったはずだからです。

実績売上よりも市場規模の方が大きいから、通常業務でも130%になった

のではないでしょうか。

自然発生的な売上で130%なら、意図的な販売強化策を徹底すればそれを

超えていたはずだといえるでしょう。

売れた月はもっと売れたはず

売れたからよかったとか、予算達成できてよかったという結果依存の発想では
ビジネススキルはアップしません。
数字は、作るものだという認識へ転換する必要があります。
例えば、季節指数が70%の2月の場合、この結果を自社の販売努力の限界と
見てよいでしょうか?
それとも、売上の落ち込みが大きいのは、これも対策らしきものがなかった
ためとは言えないでしょうか。
ここでも、常に売上高以上に需要規模は大きいということ認識としてあれば、
もっと打てる対策もあったのではないでしょうか。
結果として出てきた数字をそのまま受け止めるのではなく、未完成ので不完全
な実績数字にすぎないという解釈するということです。