上司の文章力を採点する

書き方に現れる能力

「あれ、この人、難関の超有名大学卒では?」

上司の書いた文章を読んで、

こんな経験をしたことがありま

せんか。

ビジネスパーソンの基礎能力

は、時としてその文章に現れることがあります。

学歴や語彙の豊富さの問題ではありません。

文章の組み立て力です。

文章を書き慣れると、他者の実力がわかる

頭の中で、書きたいことをあれこれと推敲して、言葉に落とし込む。

書く前に、繰り返し伝達内容を頭の中で再考、再々考する。

この繰り返し努力に耐えなくてはなりません。

書くことに慣れるまでは、その熟考作業に対する抵抗感が続きます。

しかし、ある程度の経験を積むとそこからは苦手意識が徐々に消えて

ゆきます。

提案書や報告書でたくさん汗をかくと、ある時からひと様が書く文章の

良否も見えてきます。

文章には、そこから垣間見えるビジネス能力の断片が現れるからです。

書けない上司もいる

自分が報告を受ける立場で、上司の書いた報告書を読んで、添削してみて

はどうでしょうか。

これは将来のための勉強です。

やがて、あなたが上司になって部下を指導する時、同じ経験をするから

です。

意外なのは、余り書くことをしてこなかった上司がいるということです。

学歴の問題ではありません。

報告書や社内伝達文書における基本を学ばなかったという点です。

若いうちに基本を

結論が最初にない、段落ごとの主張が1つに絞られていない、主張の根拠が

乏しい、段落の順序がバラバラで、主観が多い、等々。

感想文なのか、報告書なのか、何を言いたいのか。

忙しい会社の中で、こういうレポートはたいてい無視されます。

短時間で言いたいことや、提案したいことを最速で表現する。

練りに練った、かなり汗を流す知的労働なのです。

こうした基本を習得していなくても、成果を上げる職種はあります。

しかし、上司の力量は“書く”ことや“話す”内容にその実力が現れます。

自己表現力を磨く

書くことや話すことに慣れたからといって、伝達力の工夫や練習は継続

すべきです。

こんなレベルでいいだろう、という慢心は計画と遂行能力にも影響しま

す。

書くことと、スキルとは底の部分でつながっています。

あなたのアウトプットは、常に部下が採点しているかもしれません。