流行語が満載のビジネス書は“死んでいる”

読者は発想のヒントを

     求めている

面白いビジネス書は、読んでいてインスピレーションを与えてくれます。

インスピレーションとは、漠然としたアイディアを言葉にされたり、従来の固定観念の裏にある新事実を提示されたりすることです。

また、ある角度から見ると時代が様変わりしていることにも気づきます。

抱えている問題意識に刺激を与え、問題解決の方法を触発することもあります。

シンプルな文章で、多方面に連想を拡大し、様々な状況に考えを展開するような本は、残念ながら少いです。

そして、借り物のワードではなく、自分の言葉で書かれていることも。

バズワード満載本はすでに“死んでいる”

買って、いつも残念なのは著書名やその筆者の肩書で売ろうとすることがミエミエの本です。

著名な個人、属する大学名、その道の権威、等々。

それに誇大妄想的なタイトル。

こうした本のすべてではありませんが、共通なのは各人の理論の正当性の説明に終始するからです。

一言で言うと、内容がすでに死んでいるのです。

非常に退屈です。

相当過去のケース事例や、最近流行のバズワードが混在していますが、結論は自分の考え方の正当化でしかありません。

昔話とバズワード、そして陳腐な結論。

ビジネス実験が先、あとで理論化

学者本からは、ほとんどインスピレーションは得られません。

こういう結果になるのは、無理もありません。

アカデミズムとビジネスは、どちらが先かと考えてください。

いうまでもなくビジネス行為が先に起こりました。

大昔の成功物語の特徴的な部分を、ずっと後になって集積し、整理し、取捨選択して作られた本。

古い材料を、自分流理論でつなぎ合わせたパッチワーク。

化石的な事例を、化石的な理論で後付けている本には、既に情報性が期待できません。

書籍のセールスレター化

ビジネス書籍を選ぶ前に、ご自分の抱える問題意識を、絞り込めるだけ詳細に意識しておくことです。

そうすると、無意識に読む時よりヒントらしき言葉が現れることがあります。

最近は、年々、大げさなタイトルや刺激的な帯の惹句で売り込もうというビジネス書があふれています。

まるで、本屋がセールスレターの集積場になったようです。

私などネット販売では、買ってから失敗した、と思う買物の率が高まっています。