社員募集とは、即戦力の募集である

明日から現場に投入できる人を採用

転職応募者に対する最大の期待

値は“即戦力”です。

入社したその日からすぐに現場

業務に投入できる。

ここが、応募者が見逃している

重要なポイントです。

即戦力とは必ずしも実務経験者を意味しているわけではありません。

新入社員や転職者という区別の前に、仕事に対する自発性が問われている

のです。

即戦力とは、実務の現場に配置されて、すぐに“行動できる”人のことです。

特定のスキルの有無が問題ではないのです。

当然、新卒者にも同じことが求められます。

面接担当者の最大の関心もそこにあります。

即戦力の決め手は意思決定する習慣

即戦力としての可能性を測るうえで大事なことは“意思決定力”です。

会社の仕事とは自分の仕事であり、従って、もしも課題があれば自分で

解決してゆく。

新しく入社して、不慣れな環境や困った状況の中でも、他人に依存せず

自分で考え、最適と思う結論を下し、それを行動に移す。

自分で徹底的に考え抜き、一番良いと判断したことを実践すること。

これが“即戦力”を推測する時の基準で、技術の有無や経験年数は関係あり

ません。

“考える”ことや、取るべき“行動”は自分に与えられた課題だ、という受け

め方。

これが自立した職業人の基本です。

他者に考えてもらったり、上司に甘える人は、社会人としての意思決定力

に問題があります。1から10まで、手取り足取りなんでも教えて、現場に

出ても上司の指示がなければ行動しない。指示待ち社員は、もう通用しな

いのです。

できる上司ほど、部下の自発性や行動力を評価します。

反対に、できない上司ほど、部下の言葉や学歴に騙されます。

「仕事で学ぶ」人こそ即戦力

以上のように、即戦力とは社会人経験や特定スキルを持っている人では

ありません。

入社してから、毎日、自分の持ち場で仕事を熱心に学び、周囲の人々から

スキルを習得する人材こそ有望人材なのです。

職場は指示される場所ではなく、積極的に、貪欲に仕事のコツを学ぶとこ

ろなのです。

考えてみてください。

新入社員や転職社員が皆このように、現場と実践から学ぶ人たちで構成さ

れていたら、その会社は確実に成長します。

一人ひとりが、自立的に仕事に取組むことが当たり前の組織こそ学習する

組織です。

これが本来の実力主義の組織の在り方なのです。

そして、自主的に自分の仕事に取り組むことで、自分なりのスキルが身に

付き、部下も育成できます。

その基盤になるのが意思決定力なのです。

すべてを自分の商売と考えてみる

自営業(フリーランス)でも会社員でも、自分に与えられた仕事は、どち

らも“自分の商売”という点で同じです。

どちらも生活の糧だからです。

企業に所属しているから、仕事に対して受け身でよいということはありません。

自分の生活がかかっている以上、自分で仕事を工夫して、何とか結果を出

すことはどんな世界でも基本です。

早く即戦力にならなければ、個人でも会社員でも、自分の守備位置を作り

出せません。

会社や上司の要求に対してどれだけこたえられるか、ということではあり

ません。

自分が「自分に対して求める役割」をどれだけ果たせているか。

ここを外してはいけないのです。

仕事そのものに根本的な不満がないなら、与えられた仕事を“自分の商売”と

して受け止めることで、スキルは上がってゆきます。