数字を単独で見ても意味は分からない
数字を「読む」ときの基本
は、着目した数字を別の
数字と比較することです。
例えば、売上の成長率を見るなら前年のデータと比べます。
伸びていればOKですが、前年割れならその落差に応じた対策を
講じなくてはなりません。
あるいは、前月と比べたほうが適切な場合は、対前月比で比較
します。
また、業界1位企業との売上格差は、シェア率格差と見てよい
でしょう。
給与、残業時間、休日日数等、仕事で使う数字は、単独で見て
いてもあまり意味はありません。1つの数字を別の数字と比較
することです。
数字は見通しも語る
また、全社の平均値と比べることで、自分や、自分のチームの
成績の相対的な位置づけがおよそ分かります。
特定の数字を別の数字と比較して、自分たちは現在どこにいる
のか、どちらに向かっているのかを知る必要があります。
比較することで、現在地を知ることができるということです。
発表時の2つのポイント
数字の発表の際、大切なことは2つです。
第1は、その数字を比率で置き換えること。
第2は、直近の連続期間でどういう傾向にあるか。
これで、実績報告の発表は事実上終了します。
例えば、予算に関する発表会を想定してみましょう。
前月の売上はOOOOOOOO円です。
これだけでは、ほかの参加者はその数字の意味が分かりません。
そこで、これは予算対比105%ですといえば、ほっとするで
しょう。
次に、この実績をここ3か月の推移をみると、例えば“横這い”
傾向にある、とまとめれば今後の対策もある程度予測できます。
数字の並びから、事業の変化を見る
もちろん、上昇傾向も下降現象もあります。
数字を発表するとき、その数字だけでは意味が通じないので、
- 比率で表現する(ここでは予算対比を使用)
- 過去の成績を並べると、今後どんな傾向が予想できるか
この2つは習慣的に覚えておくことです。
対策を提案するのは、それからです。
最も大切なことから、簡潔に整理して発表する
ここで控えるべきは、実績、比較、傾向の発表のそれぞれの
場面で、一つずつ解説を加えることです。
実績、比率、傾向に対しての細々とした補足説明などは後で
まとめて一括して発表する。
これが、数値発表の際のマナーです。
一番知りたい数字の意味と、プレゼン者の意見がごちゃ混ぜに
なるとプレゼンの内容が混乱します。
秩序なきプレゼンの典型です。
簡潔な発表は、聞く側の最も知りたいニーズを短時間で満たし
ます。
そのためには、数字を見た時、自分が最初に知りたいことは
何かという見方を身に着ける練習をすることです。