数字は自由な発想で読む
業績数値は、主観によって個人的に解釈するものです。
これは社会人入門編といってもよいでしょう。
販売データを読むとき、そ
の正しい読み方というのは
ないからです。
仕事の数字を読む方法を教
える教科書もありません。
販売データに関して、
誰かが決めた、客観的で、絶対に正しい解釈などないからです。
数字は主観で読む。
これが、自立したビジネスパーソンの数字に対する基本的な
立場です。数字スキルの基盤となる考え方です。
この立場を大切にすることが、仕事に関するあらゆるデータを見る
ときの基本になります。「数字が苦手」という人は、数字を自分流
に”主観”で解釈してよいということを知らない人です。
慣れないうちは、少し難しいかもしれません。
しかし、これに慣れれば社内で独特のスキル所持者になれます。
誰もが納得する客観的で納得できる、世界で1つしかない正しい数
字解釈というものは存在しません。
どんな実績の解釈も2つある
例えば、予算達成率100%という結果は無条件にOKなので
しょうか。必ずしもそうとは言えません。
良い結果である、と満足する人は多いでしょう。
しかし、110%になっていたはずだ、という解釈も成立します。
数字を見て、そこにある解釈は百人百様に生まれます。
数字は、そこに至る努力のプロセスと比較対照されるからです。
不完全な仕事は不十分な結果を生む
“努力” と“結果”の間には、ギャップがあります。
主観的な数字の読み方とは、どんな実績データも“不完全”な結果
であるという結論からスタートします。
仕事が“不完全”だったから、結果も“不十分”なのだということ
です。
例え、売上予算を達成しても。
まれに、“不完全”な仕事でも予算達成率100%を生むことも
あります。
しかし通常、仕事のどこかに不備があったから、結果も不十分
だったのだということは否定できないでしょう。
仕事に工夫があれば、昨年よりも成績は伸びていただろうという
発想です。
たとえ予算達成率が110%だったとしても。
数字を見て、そこから新たな可能性が見えるなら、仕事の
自由度は格段に大きくなります。
仕事のやり方が変われば数字も変わる
数字は、仕事の組み立てを改善する目安にもなります。
販売業績は、自分たちの現在の実力以上の結果であると認識すれ
ば、です。
それなら業務の不備を直せば、もっと良い結果を手に入れられる。
実務が変われば、数字も変わるはずです。
従って、多少成果が上がっても「この結果では不十分だ。
なぜなら自社の実力が不十分だから」という考え方です。
数字は、常に、仕事が進化途上であることを示す目安として使う。
これが主観的に数字を読むことの最大のポイントです。
予算が未達なら「どの業務のどこに不備があった」をつかみ、
その数字に対して、仕事の弱点を見つけるのが仕事の改善です。
気づいた数字から関心をもって見る
多くの会社では、上司や経営者が選択した成績の解釈だから、
それが数字の
正しい読み方であると錯覚します。
数字に詳しい誰かが分析したから、その意味は正しいだろうと
思い込みます。
仕事の単なる結果として、スンナリ受け止めるのが、数字が
苦手な方々の共通の立場ではないでしょうか。
ここから、初歩的な数字の読み方すら他者に依存して、自分自身
でその意味を考えない風潮が一般化しているようです。
どんな数字でも、自分の注意を引くような点を見て、その理由を
考える。
これが数字嫌いを克服する入口です。