売れ筋社員はますます多忙を極める

引く手あまたの“売れ筋”社員

多くの企業では危機的な人

手不足が続いています。

知識・スキル集約型業務に

おける人材不足です。

建設やサービスにおける労働集約型業務の話ではありません。

その対極にある知識集約型の職種での有能人材の不足です。

ブラック企業はこのテーマの対象には入りません。

実務を支える柱になり得る、将来の有望株の数が足りないのです。

数少ないその有望社員はその企業の売れ筋社員といえます。

現在でも、多くの部署から引っ張りだこだからです。

意欲も能力も高く、人物評価も高い。

組織の効率化が求められるにつれ、結果的に売れ筋社員に仕事が

集中してゆきます。

仕事の処理が速く的確だからです。

ヒマな社員はもっとヒマになる

売れ筋社員への能力依存度が高まる時代にどう備えるか。

ここに、非正規社員の比率増加という環境が加わります。

全体における正社員比率は低下するので、売れ筋社員の仕事は

ますます増えます。

1人で、2人分の仕事をこなすので、仕事量の分配は毎年偏って

ゆきます。

すると、売れ筋社員以外への業務依存度が徐々に低くなって

きます。

自分で意思決定できるリーダーが不足し、反対に、“決められ

ない”人がダブついてゆく現象です。

そのうえ、コロナ禍の影響による人員削減の圧力も高まって

います。

実質的な少数精鋭型組織にならざるを得ない時代です。

ベーシックスキルで売れ筋社員に

売れ筋社員の多くは、一定レベルのスキルを持っています。

英語、会計、ITなどの専門的スキルだけを指しているのでは

ありません。

数字を見る、伝達できる文章力、仕事のボトルネックの発見。

別稿で述べた3つのベーシックスキルはどこでも活用ができる

最も基本的な能力です。

現在の経済環境がしばらく続くなら、会社に貢献できるスキルと

して、これらを磨く時間として使えます。

今後、外部環境に合わせた、組織変更が1度や2度あるかもしれ

ません。

売れ筋社員へのチャンスはまだ残されています。

売れ筋社員になる

売れ筋社員への業務依存が続けば、売れ筋社員は転職を決意する

かもしれません。

余りにも忙しくなり過ぎたためです。

売れ筋社員の欠員が多くの企業で見られるでしょう。

外部採用するのか、社内昇格か。

次の売れ筋社員が必要になってきます。

スキルアップには時間がかかります。

売れ筋社員も、見えないところで時間をかけてきたのです。

認められるまでに、多少は、時間もかかっています。

焦らないでコツコツと続けてはどうでしょう。